「ノーベル賞って面白いな
21世紀ニュータイプ論」の巻

 

これは202年10月のこと。ノーベル賞のダブル受賞がありました。


片や、東大名誉教授の小柴昌俊氏、76歳。
片や、サラリーマン研究者の田中耕一氏、43歳。



親子ほど年の違う二人。
非常に小さい物と格闘し、宇宙や生命の根源を追及するという、
ミクロ&マクロ・コスモスな思想を持つ。


追い求めているものは、究極的に同じなのだが、
普段のありようは非常に異なる二人。



受賞後のインタビューを見ても、
小柴氏は堂々綽綽、さすがの対応。

言う事も、日本物理学会や経済界まで見据えたビックな視点で
今後の日本について語る。


まさに、日本の素粒子物理学のドン!


小学生の時に小児麻痺で右腕が不自由になり、
音楽家になる夢が破れるが、
ガキ大将だった彼はへこたれずに、東大に入学。

物理を始めたきっかけも、高校の教師が
「小柴は物理が苦手だから、物理への進学はありあえない」
といったのを知り、一念発起したからだとか。


東大時代も成績はビリのほうだったらしいが、
すばらしい独創性と人脈を生かし、
企業に巨額の建築費を負けさせて、カミオカンデという研究施設を作る。



そのカミオカンデでの素粒子研究がノーベル賞に繋がったのだが、
彼のカリスマ性は誰もが認めるもの。とるべくして取ったノーベル賞らしい。


まさに、日本の素粒子物理学のドン!




一方の、田中さんといえば、ノーベル賞を取るとは思わず、
作業着で記者会見。


「事前に受賞がわかっていれば、スーツを用意してきたんですが・・・。 作業着での会見になってしまって、本当にすいません・・・。」とぺこり。


なんとも、世間ずれしていない感じが初々しい。


受賞後、小泉首相と昼食するも、
「焼き魚を食べた気がするんですが・・・。緊張していて何食べたんだか、忘れてしまいました。こういうことを聞かれるんでしたら、ちゃんと覚えて置けばよかった・・・。本当にすみません。(大汗)」とぺこり。


なんとも腰が低い感じだが、なんだか私と同類(天然ボケ)な物を感じる・・・。←???



田中さんは昼食後、スウェーデン大使館に招待されるが、
花束を持って出迎えた大使に気がつかず、一目散に建物の中へ。
大使が慌てて田中さんを呼び戻す一幕も・・。

研究者特有の(?)世間ズレしていないところがなんともほほえましい。


普通にサラリーマンしている人だったら、
受賞してももっと要領よさげな、違うふるまいをするのだろうけど、
田中さんの場合は本当に研究一筋に頑張ってきたのだろうなという気がする。


そんなお茶目な田中さんだが、英語が堪能で、研究の事に関しては「さすがだなあ・・」という発言をされていた。


受賞後のインタビューで田中氏は、
「私は専門外の専攻から化学に挑戦したから、博士でもなく、高い専門知識を持つ人と知識で互角に戦う事はできない。だから、常識が通用しないところで頑張ろうと思いました。」と答えている。


しかも、「博士号を取ると、研究から離れないといけないので、取る気はありません!」ときっぱり。



「学歴がないと出世できない」という世間の常識を、
あっさり覆す田中さん。恐るべしっ!




さて、彼は「組織の一駒として、いかに出世するか」が求められてきた日本社会で、出世を拒み、ひたすら自分がやりたい研究一筋に生きてきた。



研究所で働く友達がいっていたことだが、
「もし田中さんが院卒で、もっと注目されていたら、彼が発見した事は上司の名前で、特許申請されていたでしょう。彼が無名だったら自分の名前で特許申請できたんだと思いますよ。」ということらしい。



もし田中さんが「出世目当てに上司などに上手く取り入る性格」だったら、世渡り上手ゆえに特許申請を上司の名前にし、ノーベル賞を逃していたかも!?



「出世より、研究(実験)したい!」という、世渡り下手な純粋さがノーベル賞を掴んだのだろうか?






そして、私は田中さんの受賞を知った時、
「人がやらない事をやって、新しい研究を確立するなんて、先見の明がある野心家だなあ・・。」と思った。


しかし、研究所に勤めている友達はこう思ったらしい。
「田中さんはホントに純粋にたんぱく質を測りたかったんだなー、と思いましたよ。」



確かに、そうかも・・・。(汗)



発言を聞いている限りだと、ノーベル賞を取ろうとか、有名になろうとか、
そういう野心があったようには、見えない・・・。
むしろ「何で受賞しちゃったんだろう?(汗)」と戸惑っている雰囲気がある。




今回のダブル受賞を見て思ったけど、
小柴昌俊氏は人脈や自分の能力をフルに生かして研究する、
『20世紀らしいカリスマ』だったと思うのです。




一方、田中耕一氏は20世紀の常識とは明らかに異なる価値観で、
ノーベル賞を受賞。



「出世や学歴なんかどうでもいい。自分のやりたい事を追求するのみ!」という研究のスタイルは、20世紀型人間とは異なる、
21世紀のニュータイプなのではないだろうか?



そういう価値観は今まで「世慣れていない。」とか
「変人扱い」されてきたものだけど、
”自分らしい生き方もありなんだ!”と感銘を受けました。




常識に合わないと「変」って言われるけど、
じゃあ、常識とか普通って何を持って決めるもんなんだろう?



田中さんを見ていると、出世や学歴などの常識にこだわるよりも、
「その人が自分の特性を生かす生き方をしたほうが幸せになる」
と教えられたようで、印象深いノーベル賞でした。


Special Thanks to Chako!

 

 

 

 

◆Back to "Buzzle words"(エッセイ集)   ◆Back to "BASARA STYLE"(トップページ)